――成功の秘訣
とは、
――再起不能の失敗を避け、相異なる再起可能の失敗を繰り返し、相異なる教訓を得て修正を施すことによって、ただひたすらに成功の確率を上げていく。
ということである――
ということを、きのうの『道草日記』で述べました。
この「成功の秘訣」というのは――
実は、
――失敗の秘訣
なのですよね。
成功を手繰り寄せるために――
どんなふうに失敗を重ねていけばよいのか――
それが、
――失敗の秘訣
です。
――失敗の秘訣
とは――
以下の通りです。
1)再起不能の失敗を確実に避ける。
2)再起可能の失敗を様々な観点から繰り返す。
3)再起可能の失敗を全く同じようには繰り返さない。
4)再起可能の失敗から必ず教訓を得る。
これらの点に留意をすることで――
成功を収める確率が上がります。
つまり、
――失敗の秘訣
とは、
――成功の秘訣
に他なりません。
優れた実業家や科学者が後進に諭す際に、しばしば、
――失敗を恐れるな。
といいます。
その真意は、あきらかに上記“失敗の秘訣”の 1~4)です。
が――
凡百の後進には、それがわかりません――少なくとも、ちょっと、わかりづらい――
よって、
――私には、きっとセンスがないのだ。
と早合点をし、さっさと他の分野へ転進をしてしまう――
それは――
おそらく、もったいないことです。
成功をした者は、意識的にせよ、無意識的にせよ、“失敗の秘訣”の 1~4)を実行に移せた者です。
多くは、“失敗の秘訣”の 2~4)に精通をしています。
が――
1)には必ずしも精通をしていない――たまたま運よく、再起不能の失敗をかいくぐってこられただけの者が多いのです。
そうではなくて――
稀に、1)にも精通をした者がいます。
そういう者は――
実業家であっても科学者であっても、数多くの優れた後進を世に送り出しています。
おそらく――
さりげなく、
――再起不能の失敗
の避け方を伝えることで――
後進の無用な不安を和らげることができていたからです。