マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人命の尊さに敏感となる

 ――若いうちに、できるだけ多くの失敗をしておけ。

 という助言は――

 実際には、

 ――若いうちに、できるだけ多くの“再起可能の失敗”をしておけ。

 という意味であり――

 その前提には、

 ――若いうちから、“再起可能の失敗”と“再起不能の失敗”との違いには十分に精通をしておけ。

 という助言が隠れている――

 ということを、きのうの『道草日記』で述べました。

 

 その前提こそが、年少者にとって最も大切な助言ではないか、とも――

 

 ……

 

 ……

 

 ――若いうちから、できるだけ多くの失敗をしておけ。

 という助言が――

 本質的には、

 ――若いうちから、“再起可能の失敗”と“再起不能の失敗”との違いには十分に精通をしておけ。

 という助言と同義であると考えられることは――

 僕が、

 ――再起不能

 の定義に、

 ――人命

 を結びつけたがる最も切実な理由であろうと思います。

 

 ひとたび、

 ――人命

 を、

 ――再起可能性

 の定義に結びつけておけば、

 ――“再起可能の失敗”と“再起不能の失敗”との違いに十分に精通をする。

 ということは、

 ――人命の尊さに敏感となる、

 ということに、ほかならないからです。

 

 ――人命の尊さに敏感となる。

 ということは――

 できるだけ若いうちに身につけておいた方がよい感性でしょう。

 

 他者の命の尊さに気づき、社会の現場で周囲を慮って振る舞えるようになり――

 自身の命の尊さに目覚め、自分の人生を精一杯に楽しもうと努めるようになります。

 

 これらのことを自然と弁えるようになるには――

 人は、たいていは 30 年くらいの社会人経験を要するものです。

 

 社会人になってからの 30 年ですから――

 ざっと50歳前後です。

 

 同じことを 10 代や 20 代で弁えられるようになれば――

 こんなに幸せなことはないでしょう。