成功の秘訣は、
――再起不可能の失敗を確実に防ぎつつ、再起可能の失敗を繰り返すこと
に尽きるといえます。
つまり――
再起可能の失敗を様々に経験し――
それら失敗の一つひとつから教訓を得て――
その結果――
最終的に、それら失敗を全て帳消しにできるくらいの大きな成功を収める――
それが成功の原理です。
喩えるなら――
膨大で多様な“失敗の教訓”に包囲され、追い立てられるようにして、成功への道を突き進んでいく――
ということです。
もちろん――
その“失敗の教訓”の包囲網は――
失敗の量が膨大であればあるほどに、網の目は細かくなり――
失敗の質が多様であればあるほどに、網の範囲は広くなります。
つまり――
膨大で多様な失敗の繰り返しは――
より確実に自分を成功へと導くはずです。
ただし――
この“失敗の教訓”の包囲網は――
決して確度10割の成功を保証するものではありません。
どんなに膨大で多様な失敗を繰り返しても――
あくまで確度が10割に近づくだけであって――
決して10割に到ることはないのです。
……
……
世界は不確実性に満ちています。
たとえ十分に膨大で多様な失敗を経験していても――
その“失敗の教訓”の包囲網には必ずや綻(ほころ)びがあるものです。
その綻びのために、図らずも包囲網をすり抜けて、“成功への道”に追い立てられることがない、ということは――
大いにありえます。
……
……
どんなに努力をしていても、成功を収めるには、多少の運が必要です。
残念ながら――
努力が成功を確実にすると信じられるほどに――
世界はヒトに優しくはありません。
努力は成功の必要条件であって――
十分条件や必要十分条件ではないのです。