失敗から教訓を得て――
その教訓を活かして成功を収め――
その成功から慢心に陥り――
その慢心が仇となって失敗に終わる――
……
……
このように考えていくと――
失敗と成功とは一つの営みであり――
どこまでを失敗とみなし、どこからを成功とみなすかは――
実は、容易には判断できない――
ということが、わかります。
つまり、
――失敗と成功とは繋がっている。
ということです。
……
……
では――
これらは、どんなふうに繋がっているのか――
天秤のように繋がっているのか――
円環のように繋がっているのか――
……
……
僕は――
山のように繋がっていると思っています。
つまり――
山の麓(ふもと)と山の頂(いただき)とが繋がっているように、繋がっている、と――
失敗が“麓”、成功が“頂”です。
……
……
――成功は偶然、失敗は必然
である、と――
常々、僕は思っているのですが――
それは――
山というものは、麓には近づきやすく、頂には近づきくい、ということの反映ではないか、と――
思っています。
失敗と成功とが一体化した“山”に向かうときに――
いきなり“頂”に立つことはできません。
地上から、麓を跳び越えて頂に向かうことはできません。
上空から、パラシュートで頂に降下するしかありません。
が――
その着地には、いくつかの幸運が重なる偶然を期待しなければならないでしょう。
成功の“頂”に確実に立とうと思ったら――
失敗の“麓”から這い上がっていくしかないのです。