マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「持論を展開した」の皮肉

 ――持論を展開した。

 という表現を――
 しばしばネットの記事などで見かけます。

 この表現――
 僕は、あまり好きでないのですね。

 皮肉を感じてしまうからです。

 ――世間の人たちが受け入れにくい独自の考えを延々と語った。

 といったニュアンスが――
 感じられます。

 わざわざ「持論を展開した」などといったりせず――
 単に、

 ――考えを述べた。

 で、よいでしょう。

 ところで――

 ……

 ……

 この「持論を展開した」は――
 どこに問題があるのでしょうか。

 ……

 ……

 おそらく――
「持論」の部分です。

 この言葉――
 辞書的には、

 ――以前から主張している自分の意見

 という意味ですよね。

 よって――
「持論を展開した」といえば――
 以前から主張している意見を今も主張しているという意味となり――

 それは――
 その意見が今も世間に広くは受け入れられていない――
 ということを暗示します。

 もし、世間に広く受け入れられているのであれば――
 その意見は、今や、その人だけの意見ではなく、世間全体の意見となっているはずであり――

 あらためて主張する必要など、すっかりなくなっているはずだからです。

 ……

 ……

「持論を展開した」の皮肉には――
 いろいろな意味で――
 気をつけたいものです。