――大人になって、よかったなぁ。
と、ぼくが思っていることを――
きのう、のべました。
――大人になんか、ならなきゃよかった。
と思う日は、一日たりともなかった、と――
……
……
――大人になって、よかったなぁ。
と思えるには――
大人になったあとに、楽しく生きることが必要です。
楽しく生きていなければ、
――大人になんか、ならなきゃよかった。
と思ったとしても、不思議はありません。
楽しく生きるには、どうしたらよいか――
自分がやりたいことをやって生きることです。
それには準備(じゅんび)が必要です。
まずは、
――自分がやりたいこと
をさがす――
それがみつかったら――
それを本当にやりながら生きていくには、どうしたらよいかを考える――
そのように生きていくのに必要な物をさがし、そのように生きていくことができる場所をさがす――
そして、それを本当にやりながら、ためしに生きてみる――
そして、何か足らない物や足らない事はないかを調べていく――
これが、
――自分がやりたいことをやって生きていくための準備
です。
ただし――
残念ながら――
自分がやりたいことだけをやって生きていくことはできません。
やりたくないこともやらないと、生きてはいけない――
むしろ――
やりたくないことのほうが、やりたいことよりも、ずっと多いはずです。
が――
やりたくないことだけをやっていたら――
楽しく生きることなどは、ぜったいにできません。
やりたくないことのなかに、やりたいことを、どれだけ多く混(ま)ぜていけるか――
それが大切なのです。
やりたいことは、10 コのうちの 1 コでよい――
あるいは、100 コのうちの 1 コでもよい――
とにかく、0 コにはしない――
それが、楽しく生きていく方法です。
『10 歳の頃の貴方へ――』