マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2人は、どうしたらよかったのか

 心の中で、

 ――恋(こい)

 と、

 ――愛

 とが、まったく繋(つな)がっていない 10 才くらいの男の子の話をしています。

 

 結局――

 好きな女の子と口もきかないような仲たがいが――

 その後、何年も続いたのでした。

 

 なかなかに、つらかったと思います。

 

 男の子がつらかったのは、もちろんのこと――

 女の子のほうも、つらかったはずです。

 

 2人は、どうしたらよかったのでしょうか。

 

 その答えは、

 ――恋

 や、

 ――愛

 が何であるかをわかっていれば――

 そんなに、むずかしくはありません。

 

 ――恋

 とは、

 ――あの人と、いつまでも一緒(いっしょ)にいたい。

 という熱い思いでした。

 

 また、

 ――愛

 とは、

 ――あの人のことをいつまでも大切にしよう。

 という温かい思いでした。

 

 よって――

 男の子は、

 「あんた、あたしのこと、好きなんでしょ」

 といった女の子に対して、

 「そうだよ、好きだよ」

 と、すなおにみとめた上で、

 「でも、そんなふうにいわれると、好きじゃなくなるかも……」

 といえば、よかったでしょう。

 

 その女の子のことを大切に思うなら、「あんた、あたしのこと、好きなんでしょ」とはいわないほうがよいことを、あえて伝える必要があります。

 

 女の子のほうは――

 もちろん「あんた、あたしのこと、好きなんでしょ」とは決して口に出さないようにし、何も気づていないふりをして――

 ときどき、さりげなく話しかけてあげれば、よかったのです。

 

 そのときに――

 決して無理をする必要はありません。

 

 わざとらしく話しかける必要はない――

 

 ただ、気がついたときに、ほんの少しだけ、話しかけてあげる――

 男の子が、ぎこちなくなって、何も答えてくれなかったとしても――

 気にしないで、また何日かしたら、話しかけてあげる――

 

 その男の子を大切にするということは――

 その男の子の気持ちをできるだけ乱(みだ)さないように気をつけてあげる、ということです。