10 才くらいの男の子が、自分の好きな女の子から、
「あんた、あたしのこと、好きなんでしょ」
といわれたら、
「そうだよ、好きだよ」
と、すなおにみとめた上で、
「でも、そんなふうにいわれると、好きじゃなくなるかも……」
といえばよい――
と、きのう、のべました。
このように、のべると、
――そんな大人みたいな対応は、10 才の男の子には無理――
といわれるでしょう。
たしかに――
大人でも、なかなかに難しい対応なのです。
が――
ぼくは、あらかじめ、
――恋(こい)
や、
――愛
のことを十分にわかっていたら――
10 才の男の子でも――
そのような対応ができるのではないか――
と考えています。
ポイントは、
――恋はコントロールできないけれど、愛ならコントロールできる。
ということです。
――恋
は自分の思い通りにはなりません。
が、
――愛
は自分の思い通りになります。
だから――
好きになってしまった女の子のことを、ただ、ひたすらに愛そうとすればよいのです。
具体的には、
――その“好きになってしまった女の子”のことをとにかく大切にしようする。
ということです。
そのときに――
コツがあります。
それは――
その“好きになってしまった女の子”に対して「オレのことも同じように大切にしてもらおう」とは決して考えないことです。
その女の子が、だれを大切にしようとするかは――
その女の子が自分が決めることです。
だれか他の人を大切にしようと思ったとしても――
その思いを無条件(むじょうけん)で受け入れてあげなければなりません。
その結果――
その女の子とは、ずっと一緒(いっしょ)にはいられなくなってしまうかもしれない――
でも――
それを受け入れることが――
その女の子への、
――愛
なのです。
『10 歳の頃の貴方へ――』