――あの人と、いつまでも一緒(いっしょ)にいたい。
という熱い思いが、
――恋(こい)
である、と――
おととい、のべました。
――恋
は、本当に難(むずか)しいと思います。
――コントロールできない。
からです。
――あんなヤツに、だれが恋なんかするもんか!
と思っていても――
その“あんなヤツ”に、ある日とつぜん、ほんのささいなことをきっかけに恋をしてしまうことがありえます。
なぜか――
……
……
――あんなヤツに、だれが恋なんかするもんか!
と思っているのは、あくまでも、
――心
なのですね。
恋は、
――心
に生まれるのではなく、
――体
に生まれます。
いくら、
――あんなヤツ!
と、
――心
が思っていても――
――体
のほうは、おかまいなしなのです。
その“あんなヤツ”に勝手に恋をした上で、
――無意識(むいしき)
を通し、
――心
へ働きかけます。
――その“あんなヤツ”と、いつまでも一緒にいなさい。
と――
……
……
――心
にしてみたら、たまったものではありませんね。
……
……
このように考えると、
恋が、
――体
に生まれる仕組みが、ちょっと気になってきますが――
その仕組みは――
実は、よくわかっていません。
恋は、ほんのささいなことをきっかけに、
――体
に生まれると、のべましたが――
その「ささいなこと」の中身が、よくわかっていないのですね。
ひょっとすると――
それは、
――手足が軽くふれあう。
とか、
――目と目とがしっかり合う。
とかいったことかもしれません。
おそらく、
――心
が何らかの特定の状態(じょうたい)にあるときに、
――体
に何らかの感覚が入ると――
その、
――体
に恋が生まれる――
という仕組みになっています。
先ほど、
――体
は勝手に恋をすると、のべましたが、
――心
が少しも関わっていないわけではありません。
その仕組みは、かなり複雑(ふくざつ)そうなのです。
『10 歳の頃の貴方へ――』