――恋愛(れんあい)の準備(じゅんび)
として、いちばん大切なのは、
――恋愛の失敗
である――
と、きのう、のべました。
ちょっと、びっくりしたかもしれませんね。
――え? 「失敗」が「準備」なの?
と――
……
……
たしかに――
ふつう、人は、失敗をしないように、いろいろと準備をするものです。
が――
少なくとも、
――恋愛
については、「失敗をしないために準備をする」という考え方は、ほとんど役に立ちません。
むしろ、
――失敗をすることが準備である。
という考え方が役に立ちます。
3月20日に、のべたように、
――恋愛
とは、
――自分が恋(こい)をしている人のことを大切にしようとすること
あるいは、
――自分に恋をしている人のことを大切にしようとすること
です。
よって、
――「恋愛の準備」というのは「恋愛の失敗」である。
というのは、
――恋愛の準備として、とりあえず自分が恋をしている人のことを大切にし、自分に恋をしている人のことを大切にするしかない。
ということです。
そして――
大切にすることに、
――失敗
をすることです。
――うまく大切にできなかった。
という経験(けいけん)を積むことです。
この経験を積むことで――
人は、自分が恋をしている人のことや自分に恋をしている人のことを、うまく大切にできるようになります。
では――
具体的に、どのようにすれば、自分が恋をしている人のことを大切にできたり、自分に恋をしている人のことを大切にできるのか――
そこが、いちばん気になりますよね。
最初は簡単(かんたん)です。
その人の話をよく聞いて、その人の立場になってみて、いろいろと想像をしてみる――
ということです。
その上で――
その人のことを大切にできる方法を見つけ出す――
……
……
では――
その方法は、どのようにすれば、見つけ出せるでしょうか。
……
……
残念ながら――
それは、わかりません。
人が人を大切にする方法というのは、人それぞれなのです。
あなたが誰(だれ)かを大切にする方法というのは――
あなただけの方法であり、あなただけにしか活(い)かせません。
だれか別の人から方法を教わっても――
たいていは、うまくいかないのですね。
だから――
その方法は自分で編(あ)み出すしかないのです。
『10 歳の頃の貴方へ――』