――恋(こい)
は、
――異常心理(いじょうしんり)
を引きよせる――
と、きのう、のべました。
そして、
――恋愛(れんあい)での“取り返しのつかない失敗”
として、
――人を大切にできない人が、だれかに恋をし、その相手を追いかけ、逃(に)げられることで、その相手を殺そうとしてしまうこと
を挙げました。
これは、かなり極端(きょくたん)な例です。
もう少し、ふつうっぽい例として――
次のようなことが挙げられます。
――だれかに恋をし、その相手の注意をひきたくて、あえてあぶないことをやってみせ、あやまって死んでしまうこと
ここでいう、
――あぶないこと
というのは――
10 才くらいの人にとってなら、
――高いところから飛びおりる。
とか、
――自転車のハンドルを手放す。
とかいったことです。
20 才とか 30 才くらいの人にとってなら、
――スポーツの試合で、あぶないプレーをあえてする。
とか、
――戦争が起こっている外国へ、あえて出かける。
とかいったことです。
これも、
――恋
が、
――異常心理
を引きよせる結果といえます。
その人は、もし、恋をしていなければ――
高いところから飛びおりようとは思わないし、自転車のハンドルを手放そうとは思わないし、スポーツの試合で、あぶないプレーをあえてしようとは思わないし、戦争が起こっている外国へ、あえて出かけようとは思わないのです。
たまたま恋をしていて、その相手に関心をもってもらいたくて――
つい、そういうことをしてしまうのですね。
その結果――
運が悪いと、死んでしまったり、大ケガを負って体が不自由になってしまったりする――
――恋愛での“取りかえしのつかない失敗”
というのは――
そんなにめずらしくはありません。
『10 歳の頃の貴方へ――』