マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

正常と異常と

 ――ふつうでは考えられないような心の働き

 を、

 ――異常心理(いじょうしんり)

 という――

 と、くりかえし、のべてきました。

 

 ――ふつうでは考えられない――

 というのは――

 要するに、

 ――ふつうではない――

 ということです。

 

 ――ふつうではない心の働き

 に対して、

 ――ふつうの心の働き

 があります。

 

 こちらは、

 ――正常心理(せいじょうしんり)

 といいます。

 

 ――異常心理

 と、

 ――正常心理

 とをあわせて、

 ――心理

 といいます。

 

 ――心理

 とは、

 ――心の働き

 のことです。

 

 では、

 ――異常

 や、

 ――正常

 というのは、何のことでしょうか。

 

 もちろん、

 ――異常

 とは、

 ――ふつうではない――

 という意味で、

 ――正常

 とは、

 ――ふつうの――

 という意味です。

 

 では――

 何が、

 ――ふつう

 で――

 何が、

 ――ふつう

 ではないのでしょうか。

 

 つまり、

 ――ふつう

 とは、何でしょうか。

 

 ……

 

 ……

 

 ――正常

 が、

 ――ふつうの――

 という意味なのですから、

 ――ふつう

 というのは、

 ――正しい

 という意味であると感じられるかもしれませんね。

 

 が――

 実際には、

 ――正常

 に、

 ――正しい

 という意味は、ほとんどありません。

 

 つまり、

 ――ふつう

 は、

 ――正しい

 ではないのです。

 

 では、

 ――ふつう

 とは何か――

 

 ……

 

 ……

 

 ――ふつう

 とは、

 ――ありふれている

 とか、

 ――めずらしくない

 とかいった意味です。

 

 例えば――

 数えたら多い――

 時間を測ったら長い――

 

 そういう意味です。

 

 よって、

 ――正常心理

 というのは――

 例えば、人を多く集めて――

 そのような心の働きをしている人たちを数えたら、

 ――多い

 ということであり――

 そのような心の働きをしていない人たちであっても、その人たちのことをよくみていたら、そのような心の働きをしている時間が、

 ――長い

 ということであるのです。

 

 反対に、

 ――異常心理

 では、

 ――少ない

 かつ、

 ――短い

 ということになります。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』