マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

心:脳の働き

 ――心の働き

 のことは、よくわかっていない――

 と、4月14日に、のべました。

 

 あまりにもわかっていないために、

 ――“心の働き”の異常(いじょう)

 に注目をするしかないのである、と――

 

 ……

 

 ……

 

 実は、

 ――心の働き

 という表現(ひょうげん)じたいが――

 正しくはありません。

 

 ――心

 は、

 ――脳(のう)の働き

 である――

 ということが、よくわかっているからです。

 

 ――脳

 というのは、体の一部のことです。

 頭の上のほうに詰(つ)まっています。

 

 この体の一部の働きが、

 ――心

 である、ということは――

 ここ 200 年くらいの間に、かなり、はっきりと、わかってきているのです。

 

 なぜ、そんなことが、わかってきたのか――

 

 わかりますか。

 

 ……

 

 ……

 

 頭に大けがを負って――

 脳の一部にダメージを受けてしまった人たちの中には――

 まるで別人のように変わってしまった人がいたからなのですね。

 

 その変わりぐあいは、

 ――まるで心だけが別人になってしまったようだ。

 と感じられるくらいでした。

 

 ――こんなに変わったのは、脳の一部がダメージを受けたからにちがいない――ということは、心は脳の働きと考えるべきである。脳の一部がダメージを受けたために、脳の働きである心が変わってしまったにちがいない。

 そのように考えられたのです。

 

 つまり、

 ――心

 とは、

 ――脳の働き

 のことです。

 

 よって、

 ――心の働き

 というのは、本当は、おかしないい方なのですね。

 

 ――脳の働きの働き

 という意味になってしまいます。

 

 本当は、

 ――脳の働きの一部

 というふうに、いいかえるほうがよいのです。

 

 ――脳

 には、心とは直接(ちょくせつ)の関係がない働きも――例えば、体が生きていくために必要な基本的(きほんてき)な働きも――あるからです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』