マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

手書きのテストか大量に印刷をされたテストか

 学校の教科書に直接、記されていることだけで出題をされたテストで高い点数をとっても、

 ――やった! 世の中が捉(とら)えられた!

 と思いこむことはないけれども――

 学校の教科書に直接は記されていないことでも出題をされたテストで高い点数をとったら――

 どういうわけか、

 ――やった! 世の中が捉えられた!

 と思いこんでしまう――

 と、きのう、のべました。

 

 何をかくそう――

 15 才のころのぼく自身が、そうであった、と――

 

 ……

 

 ……

 

 もう少し、くわしく、のべますと――

 

 15 才のころのぼくにとって、

 ――学校の教科書に直接、記されていることだけで出題をされたテスト

 というのは、

 ――自分が通っている中学校の定期テスト

 のことで、

 ――学校の教科書に直接は記されていないことでも出題をされたテスト

 というのは、

 ――自分が通いたい高校の入学試験の模擬(もぎ)テスト

 のことでした。

 

 ――自分が通っている中学校の定期テスト

 というのは――

 日ごろ教わっていた先生方によって手作りで用意をされていたテストのことで――

 ぼくが 15 才のころは、ふつうは先生方の手書きが印刷をされたものでした。

 

 今は、きっと手書きではないでしょうね――コンピュータ・ソフトで書かれてプリント・アウトをされたものでしょう。

 

 一方――

 ――自分が通いたい高校の入学試験の模擬テスト

 というのは――

 自分が住んでいる街にあった教材会社によって用意をされていたテストのことで――

 これは、ぼくが 15 才のころも、今と同じように、どこかの印刷工場で大量に印刷をされていたものでした。

 

 簡単(かんたん)にいうと、

 ――自分が通っている中学校の定期テスト

 というのは、先生方による手書きのテストのことで、

 ――自分が通いたい高校の入学試験の模擬テスト

 というのは、印刷工場で大量に印刷をされたテストのことです。

 

 つまり――

 15 才のころのぼくは――

 手書きのテストで高い点数をとっても、

 ――やった! 世の中が捉えられた!

 とは思いこまなかったけれども――

 大量に印刷をされたテストで高い点数をとったら、

 ――やった! 世の中が捉えられた!

 と思いこんでしまったのですね。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』