マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

親の立場を思いえがいてみる:とても、むずかしいこと――

 ――人と人との関係

 で、辛(つら)く、苦しい思いをしないようにするには、

 

 1)

 本当は、

 ――仲良くしたくない。

 と思っているのに、

 ――仲良くしなければならない。

 と思いこんだりしないようにする――

 

 2)

 自分が、

 ――仲良くしたい。

 と思っている相手が、実は、自分と、

 ――仲良くしたくない。

 と思っているのに、

 ――仲良くしなければならない。

 と思いこんでいるのではないか――

 と、しっかりと疑(うたが)うようにする――

 

 の2つのことが、できるようになっておくことである――

 と、きのう、のべました。

 

 これらのうち――

 1)については、

 ――親孝行(おやこうこう)

 を十分に行っていれば――

 かなりスムーズに、できるようになるけれども――

 

 2)については、かなりむずかしい――

 と、のべました。

 

 たとえ、

 ――親孝行

 を十分に行っていたとしても――

 2)が、できるようになるのは、そんなに、かんたんなことではない――

 ということです。

 

 実は――

 2)については――

 親として子どもから、

 ――親孝行

 をされたことがある人なら――

 それなりにスムーズに、できるようになるかもしれません。

 

 が――

 人が子どもの親になるには、少なくとも 20 ~ 30 年はかかりますし――

 親として、

 ――親孝行

 をされるようになるには、さらに 10 ~ 20 年はかかります。

 

 つまり――

 みなさんくらいの年令の人たちにとっては――

 2)が、それなりにスムーズに、できるようになることは、まずムリなのです。

 

 では――

 どうするか――

 

 ……

 

 ……

 

 ――親孝行

 をしっかりと行い――

 そのときの親の様子をよくみておくことでしょう。

 

 そして――

 そのとき、もし自分が親であったら、どんな気持ちになるであろう――

 と、あれこれ思いをめぐらせてみる――

 

 そうした思いをくりかえし、めぐらせることによって、

 ――親孝行

 をされる側の立場を思いえがいてみる――

 

 そうすることで――

 実は相手が自分と、

 ――仲良くしたくない。

 と思っているのに、

 ――仲良くしなければならない。

 と思いこんでいるのではないか――

 ということを、しっかりと疑うことができるようになる――

 かもしれません。

 

 が――

 これは、とても、むずかしいことです。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』