――人と人との関係
は、ときに“病気になってしまう”ことがある――
と、9月5日に、のべました。
ここでいう、
――病気になってしまう。
というのは、あくまでも喩(たと)え話でして――
実際(じっさい)には、
――望ましくない在(あ)り方になってしまう。
という意味であることも――
9月5日に、のべました。
たしかに――
この「病気」は喩えなのですが――
この表現は、たんに言葉をかざっているだけ、というわけではありません。
……
……
――病気
というのは、ふつうは体がなるものですね。
例えば――
ウイルスが体の中に入ると――
体は、ウイルスを体の外に出そうと、さまざまな変化を起こします。
のどや頭を痛(いた)くして、熱を出したり、せき・くしゃみをしたり、鼻水を出したり――
このような変化が、しょっちゅう体に起こっていることを指して、
――病気になっている。
と、みなします。
このことをよく考えてみると――
体は、ふだん――とくに病気にはなっていないようなときに――どんな働きをしているかが、よくわかります。
例えば――
ウイルスが体の中に入ってこないように、のどや頭をほどよく働かせ、少しの熱を出したり、たまにせき・くしゃみを出したり、少しの鼻水を出したり、しているはずです。
つまり――
病気のことをよく考えてみると――
ふだんの体の働きのことが、よくわかるのですね。
逆(ぎゃく)にいうと――
病気になっていないときのことをいくら考えても――
体の働きのことは、なかなかわかりません。
うまく体が働いているときは――
その体の働きが、とても目立ちにくいので――
よくわからないのです。
これと同じことが、
――人と人との関係
についても、いえます。
――人と人との関係
が望ましい在り方であるうちは――
その働きは、とても目立ちにくいのですね。
逆に――
望ましくない在り方になっているときは、
――人と人との関係
の働きが、よくわかるのです。
……
……
この続きは、あす――
『10 歳の頃の貴方へ――』