マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ヒト以外の生き物も“社会”を成しているか

 ――社会

 は、自然の環境(かんきょう)の中にないけれども、

 ――生態(せいたい)

 は、自然の環境の中にある――

 と、きのう、のべました。

 

 そして、

 ――社会

 とは、

 ――ヒトに固有の生態

 であり、

 ――ある約束事を取りかわしている人たちが集まって生きている様子

 である――

 とも、のべました。

 

 つまり、

 ――社会

 をみるときに、

 ――人と人とが取りかわしている約束事

 をあえてみないようにすれば――

 その、

 ――社会

 は、

 ――生態

 といえるのですね。

 

 たとえば――

 

 遠い宇宙の果てから宇宙人がやって来て――

 地球上という自然の環境の中で生きているヒトの様子を観察したとするならば――

 そのヒトの様子は、あくまでも、

 ――生態

 と、みなされます。

 

 が――

 もし、彼らが、ヒトが送り出したり受け取ったりしている数々の通信の傍受(ぼうじゅ)に成功をしたら――

 その通信の内容から、約束事の内容を推(お)し量ることがきできるはずであり――

 その内容を十分に推し量ることができたとするならば――

 ヒトが生きている様子は、

 ――社会

 と、みなされます。

 

 同じことは――

 ヒト以外の生き物についても、いえます。

 

 つまり――

 ぼくらは、長い間、

 ――社会

 を成しうるのはヒトだけであると考えてきましたが――

 実際(じっさい)には、ヒト以外の生き物も、

 ――社会

 を成しているのかもしれない――

 ということです。

 

 ヒト以外の生き物について、何らかの約束事を取りかわしていることが明らかにされれば――

 その生き物の生態は、

 ――社会

 と、みなせます。

 

 そのようなヒト以外の生き物が本当にいるかどうかは、今のところ、はっきりとはしていませんが――

 ヒト以外の生き物で、言葉をあやつる生き物が、少しずつ、みつかってきているそうですから――

 ――社会

 を成しているヒト以外の生き物が、ぜったいにいない、とはいえません。

 

 約束事は、ふつうは言葉によって取りかわされます。

 

 ヒト以外の生き物で、言葉をあやつる生き物は――

 もしかしたら、約束事を取りかわしているのかもしれないからです。

 

 もし、そうであれば――

 その生き物の生態は、まぎれもなく、

 ――社会

 です。

 

 『10 歳の頃の貴方へ――』