精神を、
――発言
や、
――行動
でない概念を用いて絵に描くならば――
――人魂(ひとだま)
は、おそらくは最も自然な概念である。
ここでいう、
――人魂
とは、
――夜などに宙を舞う炎
である――古来より、
――魂が人の体から抜け出てきたもの
と信じられてきた。
――人魂
は、一般には、
――発光
をし、
――浮遊
をする――
と信じられている。
その、
――発光
や、
――浮遊
が、
――発言
や、
――行動
に当たる。
つまり、
――人魂が発光や浮遊によって認識をされるように、精神は発言や行動によって認識をされる。
ということである。
――精神
は、わかりづらく、当てにならぬ。
それは、
――人魂
が、わかりづらく、当てにならぬのと似ている。
たしかに――
精神はわかりづらく、当てにならぬ。
が、
――精神は目にみえぬ。
は嘘である。
精神は目にみえる――
夜などに宙を舞う炎が目にみえるように――
『随に――』