マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

2種類の“炎”を選り分ける

 精神は目にみえる。

 

 が――

 それは、さながら、

 ――夜などに宙を舞う炎

 のようなみえ方であり――

 

 しかも――

 その“炎”は、

 ――人魂(ひとだま)に由来をしている炎

 と、

 ――空中のメタン・ガスなどが燃えて生じる炎

 とが混ざっている――

 

 そういう“炎”を目にして、

 ――人魂は目にみえる。

 と感じられる人は――

 おそらくは稀である。

 

 ――何をみているのか、よくわからない。

 と感じる人が――

 大半であろう。

 

 が――

 たしかに目にみえてはいるのである。

 

 そのような“炎”を繰り返し目にしているうちに、

 ――たしかに、人魂は目にみえる。

 と感じられるようになってくる。

 

 混ざっている2種類の“炎”のうち、

 ――人魂に由来をしている炎

 の成分を、

 ――空中のメタン・ガスなどが燃えて生じる炎

 の成分から選り分けることが――

 できるようになってくる。

 

 どうすれば選り分けられるのか。

 

 ……

 

 ……

 

 さほど難しくない。

 

 その“炎”に何か光を当てるのである。

 

 光ならば何でもよい。

 

 とにかく光を当てる――

 そうすることで――

 その“炎”の発光や浮遊に変化が生じる。

 

 その変化を繰り返し汲みとっているうちに――

 何となく選り分けることができるようになる。

 

 経験が、ものをいう。

 

 『随に――』