マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

不安への対処

 ――不安でドキドキ

 の反対は何か。

 色々な答えが考えられると思うが、

 ――好奇でワクワク

 というのが、一つの答えである。

 つまり――
 不安、好奇は紙一重――ドキドキ、ワクワクは表裏一体――
 ということだ。

 例えば、眼前に正体不明の存在が潜んでいるときに――
 その存在が自分にとって負の価値を含みうると思われれば、

 ――不安でドキドキ

 となり、正の価値を含みうると思われれば、

 ――好奇でワクワク

 となる。

 そう考えると――
 何だか不思議な気がする。

 ドキドキとワクワクとが表裏一体というのは、わかるが――
 不安と好奇とが紙一重というのは、一見、納得しがたい。

 が、ちょっと考えれば――
 さほど不自然でないとわかる。

 例えば、面白そうな本を買って帰るとき――
 あるいは、面白そうな映画を見にいくとき――
 あるいは、面白そうな人と会いにいくとき――
 僕らは、不安と好奇とがゴチャ混ぜになっていることを知っている。

 もちろん、ここで「好奇」に相当するのは、

 ――面白そうな――

 である。

 が、そう感じると同時に――
 例えば、買って帰った本がつまらなかったらどうしよう、とか――
 あるいは、見にきた映画がつまらなかったらどうしよう、とか――
 あるいは、会いにきた人がつまらなかったらどうしよう、とか――
 何かと不安にも苛まれる。

 面白そうだからこそ、不安なのであり――
 不安だからこそ、面白そうなのである。

     *

 日々の暮らしの中で――
 不安に苦しむ人は少なくない。

 不安に対処しようと思ったら――
 いかに好奇と結びつけるかが、鍵である。