マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

女の魔性や男の獣性が

 昨日の『道草日記』で、

 ――女は子宮で考える。

 と書いた。

 では――
 男は、常に頭で考えるのかといえば、そうでもない。

 女が子宮で考えるのなら、

 ――男は股間で考える。

 といって、よいだろう。
股間」というのは、より直接的には、陰茎のことである。

 ――もう少しクレオパトラの鼻が低かったら、歴史は変わっていた。

 などという。
 この言葉は、クレオパトラの美貌がカエサルアントニウスの理性を狂わせた可能性に触れている。

 ――カエサルアントニウスを、股間で考えるように仕向けた。

 と解釈できよう。

 この際、歴史の実際は、どうでもよい。
 女の美貌が男の股間を突き動かし、歴史の流れを定めたらしい事例は、いくらでもあって――
 その最も有名な例として、「クレオパトラの鼻」が引用される。

 そのクレオパトラも、実は子宮で考えていたかもしれぬ。

 もし、そうならば――
 歴史は、クレオパトラの子宮とカエサルアントニウス股間とによって、編まれたことになる。

 ――歴史は下半身によって作られる。

 といわれる所以(ゆえん)である。

 この言葉が大好きだ。

 歴史は人の理性が紡ぐと思われがちである。
 が、実際には違うと思う。

 女の魔性や男の獣性が、歴史の流れをうねらせる。
 そのうねりは、しばしば決定的である。