一般に――
ある人が主観的にものをいっているのか、客観的にものをいっているのかを、明瞭に判別する方法はあるでしょうか?
いえ――
「明瞭に」というのは、言い過ぎですね。
そんな判別が人知にかなうはずがありません。
だいたいの確度でかまわないので――
人の物言いの主観や客観の程度を見積もることは可能でしょうか、ということです。
もちろん――
この問題を深く追求していけば、いずれは哲学における主観・客観問題に行き着くのは目にみえています。
ほどほどにしておかなければなりません。
あえて簡単な議論にしますと、
――物言いに無私の心があるかないか――
が、主観・客観の1つの目安になると考えています。
つまり――
発言の内容が発言者の不利になっている場合には、その発言は客観的とみて間違いないであろう、と――
逆に有利になっている場合には、どんなに客観的にきこえても、とりあえず疑ってかかったほうがいいであろう、と――
この目安、意外に参考になるのですね。
少なくとも僕の日常経験からいえば、そうです。
それだけ無私の心の実践が難しいということでしょう。
皆、自分が可愛いのです。