マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

考える前に動くか、動く前に考えるか

 考える前に動くか、動く前に考えるか――
 結論からいえば、どちらでもよいと、僕は思っているのですが――

 このことに関し、時折、
(いや、それはヘンだろ)
 と思うことがあるのです。

 それは、

 ――考える前に動く

 をモットーにしている人が、

 ――動く前に考える

 の価値を無視しようとしているときです。
 無視しようとする理由は、僕が知る限り、

 ――動く前に考える人は、何もしない。結局は動かないことの言い訳ばかりを考えている。

 というものです。
 だから、

 ――人は、考える前に動かねばならない。

 と――

 が――
 そうではありません。

 動く前に考えるのがいけないのではなく――
 考えた末に動かないのがいけないのです。

 これは、もっともな言い分です。
 なにしろ、多くの場合は、動かなかったら何も変わらないのですから――

 ということは――
 考えようが考えまいが、とにかく動けばよいということです。

 動けば、何かが変わるかもしれないのですから――

 動く前に考える人が全て――
 考えた末に動かないわけではありません。

 いえ――
 真に優れた人は、必ず、動く前に考えて――
 そして、結局は動かないということがない――
 つまり、必ず動きます。

 動く前に考える人は、自分が動くことの悪影響を懸念しているのです。
 不用意に動くことで、何かを失うかもしれない――あるいは、誰かに迷惑をかけるかもしれない――
 そこをキッチリと吟味する必要性を重視するからこそ、動く前に考えるのです。

 繰り返します。
 動く前に考えようと、考える前に動こうと、どちらでもよいと、僕は思っています。

 が、考える前に動くことが、動く前に考えることよりも、格段に優れているとは思いません。
 動く前に考えることは――その後、しっかりと動くのであれば――決して恥ずべきことではないでしょう。