――考える前に動け。
という人が時々いますが――
僕は、どうしても納得できません。
考える前に動き、誰かの迷惑になってしまう可能性が――
まったく考慮されていないように感じられるからです。
事実、「考える前に動け」といっている人の中には――
周囲に迷惑をかけている人が少なくありません。
あきらかに迷惑をかけていて――
それでも知らん顔――
自分が迷惑をかけているということに――
気づかない――
たぶん――
気づけないのですね。
それは――
考える前に動くから、そうなるのです。
思うに――
「考える前に動け」といっている人の「考える」というのは――
その「動き」が自分へもたらす損得を考えるということではないでしょうか。
その「動き」が周囲へもたらす利害などは歯牙にもかけていない――
たしかに――
自分の損得などは最後に考えればよいことです。
そもそも――
自分の損得などは、動く前であろうと動いた後であろうと、そんなに真剣に考えるべきではない――
動く前に考えるべきことは、別のことです。
例えば――
その「動き」が周囲へ利害をもたらしうるかどうか――
もたらしうるのなら、どちらなのか――利なのか、害なのか――
あるいは――
その「動き」に普遍的な価値を見出せるかどうか――
100日が経って100年が経っても、理解されうる価値なのか――
……
……
ゆえに、
――動く前に考えろ。
なのです。
ただし、
――考えることを間違えるな。
です。