人が生きていくことに意味などはないと思うのですね。
どう考えても意味などは見出せない――(笑
それゆえに――
人は物語を作るのだと思います。
生きることが無意味ではなくなるように、物語を作る――
つまり、物語とは人が生きる意味です。
小さな女の子の「いつかお花屋さんになる」も物語ですし――
新進気鋭の青年の「この国を救う政治家になる」も物語です。
何か事件が起こって、不可解な問題点を必死に解決するというのも物語ですし――
見知らぬ土地に移り住み、やがて、その土地に溶け込んでいくというのも物語です。
生きる意味とは、生きることの支えです。
生き甲斐のことです。
ありとあらゆる生き甲斐は、物語になりえます。
生き甲斐がないと、おそらく、人は生の虚無に耐えられないのです。
正確には、ヒトの脳が正常かつ安定的に作動しない――
脳は、自らを正常かつ安定的に作動させるために、物語というソフトウエアを、自らの内部に実装するのではないでしょうか。