人の歌声には、ときに技術を超えた魅力が宿ります。
醒めた気持ちで聴くと、どうってことはない歌声であっても――
少しだけを気持ちを高めて聴くだけで、
(うわ~、すごい!)
と思えることがあります。
どんな歌声でもそうだ、というわけではないのですよ。
凡百な歌声も聴く者の気持ち次第である、などということを主張するつもりはありません。
いわば「天賦の才」の歌声と、そうでない歌声とがあって――
「天賦の才」の歌声には、技術の高低は、ほとんど関係がない――
ということが主張したいのです。
つまり――
その人の歌唱が、仮に、
――拙い
という印象を与える程度であっても――
その歌声に技術を超えた魅力が宿っていれば、
――とってもいい!
となるのです。
なぜでしょうか。
……
……
わかりません(笑
……
……
まあ――
芸事に理屈はありませんからね。
もちろん、まったく理屈がないわけではありませんが――
人の心を動かすか動かさないかの瀬戸際には、たぶん理屈がないのです。