マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

言葉の息抜き

 ――平凡の非凡

 とか、

 ――静寂の音

 とかいった表現が、僕は好きなのですね。
 大変に結構なものだと思っております。

「平凡の非凡」とは、

 ――本当の平凡は滅多にあることではないから非凡だ。

 といった意味であり――
「静寂の音」とは、

 ――音の合間の静寂は他のいかなる音よりも味わい深い。

 といった意味です。

 どちらの表現も、簡単にいえば、「逆説的」ということになりますね。
 あるいは「理屈どおりではない」ということです。

 僕は理屈を大変に重要なものだと思っているのですが――
 それは、理屈くらいしか、他者と確実に分け合えるものはない、と考えているからです。

 それ以外のものを分け合うことは、まあ、期待できない――
 もちろん、相性の良い者同士で分け合うことなら十分に可能でしょうが――どんな相手とも確実に分け合うということは難しい――

 だからこそ、理屈の通らない表現というのは、大変に結構なものだと思っています。

(まあ、このことは、わかる人にわかれば、それでいいや)
 みたいな気楽さが、「大変に結構」なのです。

 こういう表現を巧く使うことで、言葉の息抜きができるでしょう。
 日々の暮らしの中で理屈を重視している人ほど、こうした息抜きが必要なのだろうと思います。