芸に理屈は要らなくて――
ただ、鑑賞者によって、
――すばらしい!
と認められるかどうかが――
すべてなのです。
たとえ理屈に合わなくても――
一定数の鑑賞者の感性や嗜好に合致さえすれば――
芸とみなされ、後世に残りうる――
だから――
芸を行う者は、ときに理屈を忘れる必要があります。
事実の認識や論理の前提を忘れ、事実の探求や論理の構築を止める――
事実や論理を無視した発想や思考は――
本来、大変に危険なことです。
何をしでかすか、わからない――
つまり――
芸とは、なにをしでかすか、わからないもの――
そういうものだと思って、芸に触れる必要があるでしょう。