マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

拙速の政権交代の後遺症

 鳩山内閣が発足しましたね。

(やれやれ……)
 というのが、僕の感想です。

 今から16年ほど前の1993年に――
 衆院総選挙のあとで、非自民の諸政党が連立を組んだことがありました。

 いわゆる細川連立内閣です。

 当時、僕は19歳で、まだ選挙権もなかったのですが、
(ちょっと、それには早いだろう)
 と思ったものでした。

 というのは――
 あの頃か、あいかわらず自民党が第一党の地位を保っていたからです。

 その第一党が外れた新政権の陣容には、どうしても拙速の感が漂っていました。

自民党に変わる第一党が登場しない限り、いかなる政権交代も眉唾で終わるだろう)
 という諦観です。

 実際、その通りになりました。
 細川内閣は1年ともたずに退陣し、瞬く間に自民党が政権の座へ返り咲きました。

(ほら、みたことか)
 と思ったものです。

(ムリに交代したからだよ)
 と――

 その頃には――
 僕は、1993年の拙速の政権交代を、かなり冷ややかな目でみていました。

 今回は違います。

 今回の政権交代は、第一党の交代でもありました。
 さすがに1993年のようなことは、起こらないでしょう。

(やれやれ……)
 と思えるのは、そうした感慨によるのです。

 もっとも――
 今後、1年以内に民主党が分裂し、一部が自民党と合併して――
 いつの間にか自民党の議員が総理大臣になったりする可能性は――
 ゼロではありません。

 そうなったら――
 もう目も当てられませんね。

 ――いつになったら政権交代が常態化するんだ!

 とヤケを起こすことでしょう。
 この20年間というもの、この国の議会制民主主義は、ずっと停滞していたことになるのですから――

 この期におよんでなお――
 そうした危惧を、完全には拭えない自分がいるのですよね。

 自分でも滑稽なくらいに、いまだに不安なのです。

 それは――
 もしかすると――
 二十歳の多感な時期に、1993年の拙速の政権交代を迎えてしまったことによる後遺症なのかもしれません(苦笑