煩悩を抱えると、不自由なのですね。
――あれもしたい、これもしたい。
となって――
かえって自分自身を束縛することになる――行動も発想も――
が――
煩悩がなければ、たぶん勉強も仕事もできません。
恋愛も結婚も子育てもできません。
およそ人の世のことは、多少なりとも人の煩悩に根差しています。
つまり、煩悩に束縛され続けるのが愚かなことなら――
煩悩を、
――くだらない!
と切って捨てることも愚かなことです。
人は、煩悩がもたらす精力を物事に上手に注ぎ込むことで――
ある程度は、煩悩から自由になれるでしょう。
煩悩から自由になるということは――
煩悩の行方を、煩悩の赴くままに任せる、ということでもあるのではないでしょうか。
煩悩をきつく戒めようとするからこそ、かえって不自由を感じてしまうのです。
煩悩を戒めるのは、非常に困難ですからね(苦笑
煩悩の行方に振り回されることなく、煩悩の行方をノンビリと追いかけていくことができたなら――
それは、たぶん、とても幸せなことでしょう。