対人トラブルを解決する能力というものがある、と――
僕は考えています。
それは、
――ほどほどに理屈を通す能力
といってもよい能力です。
対人トラブルのほとんどは――
理屈とは無関係のところで生じます。
たいていは、人の情動や気分――つまり、“気持ち”――が原因です。
そのような“気持ち”に根差したトラブルを収めるには――
そのトラブルに関わる全ての人たちで共有しうる理屈が必要です。
全ての人たちで共有しうる理屈ですから――
緩やかで、わかりやすい理屈である必要があります。
そうした理屈を思い描き、掲げ示す能力が――
対人トラブルを解決する能力です。
裏を返すと――
そうした理屈を思い描かず、また、掲げ示すこともなく――
ただ、そのトラブルに関わる人たちの“気持ち”に任せて場当たり的に解決しようとすれば――
トラブルは、かえってこじれるでしょう。
その結果――
解決が不可能になることも珍しくはありません。