マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自分で病気になると

 自分で病気になると――
 人類が今日までに蓄えてきた医学知識や医療技術の有り難みがよくわかります。

 それら知識や技術を学習し、実践するだけでは、なかなか有り難みはわからないのです。
 むしろ、文句をいったりする――

(なんで、こんなにイッパイあるんだよ!)
 と――(笑

 が――
 そうした知識や技術の「イッパイある」は、幸甚なのです。

 近代以前は、そうした知識や技術は、今から思えば、呆れるほどに少なかったのです。
 しかも、多くが間違っていたり、害をなすものであったり――

 そうした誤謬が一つひとつ直され――
 直されていく過程で、新たな知識や技術が付け加えられ、蓄えられていったのです。

 その恩恵に、現代の医学や医療は浴しています。

 何でもない知識や技術の裏に、幾千もの奇跡が横たわっているのですね。

 その奇跡の幸福を心の底から実感するには――
 それら知識や技術を学習したり実践したりするだけでは、どうも難しいようです。

 それらがもたらす利益を、自分自身で手にしないかぎりは――