マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「言語明瞭、意味不明」の向こう側

 人の性格というのは、何気ない言葉使いに表れます。

 誰に対しても、ぞんざいな言い方をするか――
 相手によって言い方を変えているか――
 何かいったあとで、いつも愚痴を付け足すか――
 いつもポジティブな感想ばかり口にするか――
 それとも、余計なことは一切いわないか――

 ちなみに――
 余計なことを一切いわないのが、よい性格ではありませんよ。

 たしかに――
 余計なことをいわない人は、それだけ理性的で、配慮の行き届いた人かもしれませんが――
 一言あってしかるべきシチュエーションでさえも何もいわない人は、やっぱり、ちょっと問題のある性格かもしれません。

 とにかく――
 人の性格は言葉使いの細部に表れるといっていいでしょう。

 細部では、性格が剥き出しになりやすいからです。
 そこまで繕えるほどに気の回る人というのは、そう多くはないからです。

 逆にいうと――
 自分の性格を繕いたい人は言葉使いの細部に気をつける、ということです。

 言葉の中身よりも、その飾り方へ――
 そこにこそ、注意を向けてみる――

 昔の日本の政治家は、

 ――言語明瞭、意味不明

 などと揶揄されましたが――
 あの人たちは、たぶん自分の性格を繕っていたのだろうと思います。

 それはそれで、意味のあったことでしょう。