物事は、歳とともに、だんだん単純にみえてきます。
10代の頃は、あんなに複雑怪奇に思えた問題は――
20代、30代と経つうちに、自然と単純明快に思えてくる――
もちろん、自分の知識や経験が増え、思考力や理解力が高まった結果でしょうが――
それにしても、痛切に感じざるをえないことは、
――10代の頃は物事をいたずらに難しくとらえようとしていた。
ということです。
何事も難しくとらえたい歳頃なのですよね――10代の頃というのは――(笑
世界を作っているのは自分の心です。
人は、自分の心で感じ、考えたことを基に世界を作り上げ、それを通し、本物の世界を理解しようと画策します。
だから――
世界は自分の心の中にあるのです。
本物の世界は、どこか別のところにあります。
10代の頃は、その世界が複雑なのですよね。
ゴテゴテと仕掛けが施されている――
ガチャガチャと飾りがついている――
それが――
歳とともに、だんだん単純になっていくのです。
仕掛けや飾りが小削げ落とされていく――
そして、
――自分は本物の世界のことは何もわかっていないかも……。
と気付き――
慄然とするのです。