マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

ウソをつく害悪まで教えるのがよい

 親が子に、あるいは教師が児童にいう小言として、

 ――ウソをついてはいけない。

 というものがあります。

 が、なぜ「ウソをついてはいけない」なのか――
 その理由を、親や教師は深く考える必要があるでしょう。

 ――ウソも方便

 という言葉があります。

 子や児童は、大人になって社会に出て――
 ときにはウソをつく必要があるということを学びます。

 にもかかわらず、なぜ「ウソをついてはいけません」なのか――

 それは――
 ウソは、ウソをつかれた相手よりも、ウソをついた当人に害悪を与えるからです。

 不用意にウソをつくことで、人は、誠意を失い、自信を失い、迷い、惑います。

 その体験が、その人の心を傷つけ、弱めます。

 社会人の大人であれば、その心の傷害や弱体化に耐えられるかもしれません。
 が、子や児童は、そうとはいいきれません。

 それゆえに――
 親や教師は、繰り返し、伝える必要があるのです――「ウソをついてはいけません」と――

 ウソをつく害悪に耐えられるようになるまで――
 人は、ウソをつかないほうがよいのです――自分自身の心を守るために――

 できることなら――
 子や児童に親や教師は、そこまで教えるのがよいでしょう。

 そうでなければ――
 余計な誤解を招きかねません。