親が子に、あるいは教師が児童にいう小言として、
――ウソをついてはいけない。
というものがあります。
が、なぜ「ウソをついてはいけない」なのか――
その理由を、親や教師は深く考える必要があるでしょう。
――ウソも方便
という言葉があります。
子や児童は、大人になって社会に出て――
ときにはウソをつく必要があるということを学びます。
にもかかわらず、なぜ「ウソをついてはいけません」なのか――
それは――
ウソは、ウソをつかれた相手よりも、ウソをついた当人に害悪を与えるからです。
不用意にウソをつくことで、人は、誠意を失い、自信を失い、迷い、惑います。
その体験が、その人の心を傷つけ、弱めます。
社会人の大人であれば、その心の傷害や弱体化に耐えられるかもしれません。
が、子や児童は、そうとはいいきれません。
それゆえに――
親や教師は、繰り返し、伝える必要があるのです――「ウソをついてはいけません」と――
ウソをつく害悪に耐えられるようになるまで――
人は、ウソをつかないほうがよいのです――自分自身の心を守るために――
できることなら――
子や児童に親や教師は、そこまで教えるのがよいでしょう。
そうでなければ――
余計な誤解を招きかねません。