自分を癒すために歌う――
という人がいるらしいのですが、
(そんなことって、ありうるんだろうか)
と思います。
誰かを癒すために――なら、わかるのですが――
自分を癒すために――
(無理なんじゃないの~)
と思います。
ちょっと不健全な気もしますしね。
そもそも――
自分を癒すための歌というのは、どんな歌なのでしょう?
きっと、自分が聴きたいと思う歌なのでしょう。
が――
それを聴いて、
――ああ、よかった。
と思えるでしょうか。
だって――
それを歌っているのは、他ならぬ自分自身なのですから――
そこまで考えて、
(いや、待てよ)
と思い直しました。
(そうか、自分が歌っているという感覚がなくなればいいのか)
と――
――唄は歌うものではない。それは、自分の体を音楽の神様に差し出した結果、歌わされるものだ。
という話をきいたことがあります。
人は、
――歌わされている。
という感覚に浸ることで――
自分で歌いながらに、癒されうるのかもしれません。