日頃、ずっと人間の醜い振る舞いばかりをみていると――
あっという間に人間不信に陥ってしまいそうなので――
たまには、人間の美しい振る舞いをみていたいものですが――
そういう振る舞いには、なかなかお目にかかれません。
人間の美しい振る舞いというのは――
結局は、無私の心から立ち上がってくるものでしょう。
我欲や身勝手を見事に抑制してこそ――
その人の言動は真の輝きを帯びるはずですが――
我欲や身勝手を抑制するということは――
ときに自己生存本能を減退させるということですから――
そういう変化を、自分以外の誰か他の人に期待するということは――
ちょっと人道に反しているようなところがあります。
それでも――
人間の美しい振る舞いを、ときにはみていたいのですよね。
自己生存本能を十全に発揮している人間は――
動物としては美しいかもしれませんが――
人間としては美しくない――
もちろん、
――醜い。
とまではいいたくありませんが、
――美しい。
とはいえない――
だから、悩ましいのです。