マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

甘えの悦びには

 甘えの悦びには――
 甘える悦びと甘えさせる悦びとがあって――
 どちらにも十分な注意が必要だと思うのです。

 が――
 この悦びの危険性は、つい見過ごされがちです。

 もちろん――
 甘える悦びについては、まあ、誰でも何となくわかるとは思うのですが――
 甘えさせる悦びについては、そう簡単には、わからないものなのですね。

 甘えさせる悦びに浸ることで、周囲に手ひどく迷惑をかけ――
 それゆえに強く後悔する経験でもしない限りは――
 まず、自覚されることはありません。

 というのは――
 甘えさせている当人は、何か頑張って良いことをしているように錯覚してしまいがちだからです。

 甘える悦びの危険性は、大人なら誰でも理解できますが――
 それと同じくらいに――
 甘えさせる悦びの危険性についても、十分に理解しておきたいものです。

 もっとも端的な危険性は――
 視野が狭くなることでしょう。

 甘え、甘えさせることで――
 その甘えに関わる対人関係しか見えなくなってしまいます。