マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

小さな子供たちの目に入らないように

 小さな子供たちの目に入らないように――
 人間の醜い部分、あるいは道徳と矛盾する部分を覆い隠してしまいたいというのは――
 たぶん全ての大人の自然な欲求だろうとは思いますが――

 それは――
 残念ながら――
 問題の先送りに等しいのですよね。

 小さな子供たちは――
 いずれは大人になって、あるいは思春期を迎えて――
 人間の醜い部分、あるいは道徳と矛盾する部分に向き合っていくわけで――

 そのときに、問題は間違いなく再燃するのです。

 ――人間は、なんて醜いんだ!

 とか、

 ――道徳は、ウソだったのか!

 とか――

 小さな子供たちが、そのときになって――
 それら問題と巧く向き合えるように――迷妄の闇路に立ち入って正義の苦悩に苛まれないように――

 あらかじめ――
 人間の醜い部分や道徳と矛盾する部分を小さな子供たちに知らしめることができれば――
 それは、ある意味、理想であろうと思います。

 子供と大人との距離が――
 ぐっと縮まりますね。

 しょせん、夢物語だとは思いますが……。

 ……

 ……

 大人になった今――
 自分が小さな子供だったときのことを思い出しながら――

 そんなことを考えています。