表現の技量というのは――
たしかに存在しますね。
同じ情報を伝えるのに――
上手な伝え方と、そうでない伝え方とがある――
表現の技量の高い人は上手に伝えられ――
低い人は、そうではない――
そうはいっても――
表現の技量が問われるのは、情報を伝える相手に、情報を受けとる能力が十分に備わっていない場合に限るのですよね。
情報を受けとる能力が十分に備わっている人が相手なら――
かなり拙い伝え方でも、なんとかなってしまう――
表現の技量というのは――
たしかに大切な観点ではありますが――
それを独立で論じては、うまくありません。
感受の技能とでもいいましょうか――
情報を受けとる能力の高低――
これも――
表現の技量と同じくらいに大切な観点です。
情報を受けとる相手の感受の技能を正しく見積もってこそ――
期待されるべき表現の技量もまた正しく見積もれるのです。