ウソはいわないけれども、ホントのこともいわない――
それが巧いコメントの本質であろうと思います。
これらのうち、ウソをいわないというのは――
それほど難しくはありません――とにかく、自分の心にブレーキをかけつづけていればよいので――
難しいのは「ホントのこともいわない」というほうです。
ホントのことというのは、あるとき、ふっと思い浮かぶものです。
例えば、誰かに予想外な問いを不意に浴びせられて、ふっと口に出かかるもの――
それが「ホントのこと」です。
それをいわないというのは――
それが、ふっと口に出かかったときに、すかさず自分の心にブレーキをかける――
ということです。
ブレーキというものは――
ずっと、かけつづけておくのは、そんなに難しくありません。
いざというときに確実にかけるのが、難しいのです。