書くということは、伝えるということです。
書き続けるためには、伝えたいことを探し続けることが必要です。
が、「伝えたいこと」というのは――
ふつうは、そんなにたくさんあるわけでは、ないのですね。
ひょっとすると――
日頃から不平不満を溜めこんで生きている人は、たくさん伝えたいことがあるのかもしれません。
が――
不平不満を溜めこまずに生きている人にとっては、伝えたいことを探し続けていくのは、けっこう大変です。
そもそも、
――今、生きていて幸せだよ。
と思っている人が何かを「伝えたい!」と強く思うことは――
ほとんどないように思います。
ですから――
書くことを生業にするということには――
ちょっとした罠がありまして――
それは――
書き続けていくために、伝えたいことを探し続けていく――
伝えたいことを探し続けていくために、毎日、不平不満を溜て続けていく――
という負の連鎖です。
これは、よくない――
もう少し直接的にいえば――
書き続けていくためには、不平不満ではない「伝えたいこと」を探し続けていく――
それに徹する必要がある――
そういうことです。