何か主張を練り上げる場合に――
やり方は、だいたい2つに分類されます。
まずは根拠を集めて、集まった根拠から自然と浮かび上がる主張を練り上げるか――
まずは主張を練り上げて、練り上げた主張に的確に合致しそうな根拠を集めていくか――
どちらも一長一短です。
初めに根拠を集めると、場当たり的な主張になってしまいますし――
初めに主張を練り上げると、都合のよい根拠だけに着目してしまう――
ですから――
両方やらないといけないのです。
まずは根拠を集めて、そこから場当たり的に主張を練り上げてみる――
次に、その「場当たり的な主張」を十分に俯瞰した上で、あえて研ぎ澄まされた主張というものを仮想的に練り上げてみる――
次に、その「研ぎ澄まされた主張」に合致しそうな根拠を選りすぐってみる――
次に、そうやって「選りすぐられた根拠」の一群に何らかの偏りがないかどうかを見極める――
偏りがあるなら、偏りをなくした上で、もう一度、あえて場当たり的に主張を作り上げてみる――
この繰り返しだろうと思うのです。
何か主張を練り上げるには――
このような手続きを地道に延々と繰り返していくしかないだろうと思うのです。
まずは主張か、まずは根拠か――
これら2つの方針のどちらかに傾きすぎると――
必ず主張は破綻し、根拠は消失します。