見知らぬ街で人に連れられて入ったカフェというのは――
あとから探すのが大変です。
(あ。また、あのカフェに入ってお茶を飲みたいな)
と思っても――
容易には、たどりつけません。
見知らぬ街でなら、あきらめもつくのですが――
自分が住んでいる街にすら、そういうカフェがあって――
ちょっと寂しい思いをしております。
仕方ありませんね。
そのカフェが気に入るかどうか――
また入ってみたいと思うかどうかは――
そのときにはわかりません。
何ヶ月か経って――
あるいは、何年か経って――
――あ。また、あのカフェに……。
と思うそのときまで――
わかりませんから……。