プロフェッショナルであるためには、
――誰かに喜んで報酬を支払ってもらうこと
が第一に必要であり――
その条件を満たさなかったらプロフェッショナルでないといってよいと思っておりますが――
では――
それを満たしていれば十分かといわれると――
そうでもない気がします。
というのは――
たとえ報酬が支払われなくても――
プロフェッショナルは成り立ちうると思っているからです。
例えば――
レストランに多忙のビジネスマンが入ってきて、
――30分で食事を終えたい。可能か?
と訊かれ、逡巡の挙句に、
――可能だ。
と答え、テーブルに通したものの、結局、30分たってもスープしか出せなかった――
という場合は――
このビジネスマンは決して喜んで食事代は払わないでしょうから――
レストランがプロフェッショナルでないことは自明です。
が――
同じことを訊かれ、即座に、
――不可能だ。当店は30分で済ませられる料理は扱っていない。よそをあたってほしい。
と答えた場合は――
このレストランは、決してプロフェッショナルでないとはいえないと思うのです。
むしろ、真のプロフェッショナルかもしれない――
プロフェッショナルであるためには、「誰かに喜んで報酬を支払ってもらうこと」以外にも、条件があるのです。
それは、例えば、
――自分の仕事では喜んで報酬を支払ってもらえそうにないと感じられたら、即座に辞退すること
です。
では――
そんなふうに即座に辞退できるようになっておくには、どうすればよいか――
それは――
自分の仕事の内容・性質や意義・目的を正確に把握すればよい――
では――
それらを正確に把握するには、どうすればよいか――
それは――
自分の仕事に深い関心を持つことです。
つまり、自分の仕事を好きになる――
逆にいえば――
自分の仕事を好きにならなければ――
誰かに喜んで報酬を支払ってもらうことなどは、とうてい期待できません。
誰かに喜んで報酬を支払ってもらうことは――
自分の仕事を好んだ結果であって、決して原因ではありませんので――