マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

芸術家の人格者というのは

 自分が、

 ――美しい!

 と思って描いたり作ったりしたものを――
 誰かに茶化されてしまったときに――

 自分も一緒になって笑ってみせる――

 そういう人は――
 心が実に逞しいのだと思います。

 一緒になって笑ってみせるということは――
 自分が「美しい!」と思って描いたり作ったりしたものを茶化す感覚に理解を示せるというだけでなく――
 それを描いたり作ったりしていたときの自己陶酔の感覚を突き放せる、ということを意味します。

 そうやって自分自身を突き放した結果――
 以後、「美しい!」と思って何かを描いたり作ったりすることを2度とやらなくなる人なら――
 いくらでもいるのですが――

 そうやって自分自身を突き放したあとでも――
 また「美しい!」と思って何かを描き始めたり作り始めたりする人もいます。

 そういう人は、本当に逞しい――

 芸術家の人格者というのは――
 そういう逞しい心の持ち主に違いありません。