小学校や中学校に通っていた頃――
算数や数学の授業などで、
――いくら基本をやっても応用は身につかない。
などと――
よくいわれたものです。
が――
高校を卒業したあとでいわれたことは、
――とにかく、基本が大事――
や、
――基本を疎かにするのが一番こわい。
ということ――
(いったい、どっちが本当なんだ?)
と悩んだ時期もありましたが――
今は悩んでおりません。
その“答え”が、
――どっちも本当だ。
と、思えるようになったからです。
*
――応用
は、
――基本の単純な組み合わせ
です。
一番わかりやすい例を示すと――
小学校の算数や中学校の数学では――
どんなに複雑で難解な応用問題であっても――
必ず幾つかの基本問題に分解できるのですね。
このことを――
高校卒業までに十分に実感した上で――
社会人になって――
実際の世の中に出ていくと――
とてつもなく複雑で難解な課題に、実社会の中で直面した時にも――
そうした課題を幾つかの要素に分解し、それら要素の一つひとつに丹念に取り組むことで――
さすがに、その“とてつもなく複雑で難解な課題”を最後まで解決し切ることは無理であっても――
どうにかして解決の道筋だけはつけていこうとする気概を――
もてるようになります。
大切なことは――
基本を単純に組み合わせていった結果、はじめて応用が成立するのであって――
応用が、基本とは無関係に、どこかで偶発的に発生しているわけではない――
ということですね。
真夜中にテレビやネットなどのニュースをみていて――
そんな“とてつもなく複雑で難解な課題”の具体例を、ふと、みつけたときに――
その複雑や難解さに絶望しそうになりながらも――
僕は、自分自身に、いいきかせたいと思っています。
(いかなる応用も、基本の単純な組み合わせにすぎないはずだ)
と――