マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人は愛情を伝えられてリラックスできるか

 家族から思いがけず愛情の感じられる言葉をかけられると――
 人は、鼻の頭の周囲の表面温度が上がるそうです。

 パナソニック社が、自社製品をテーマに行った実験で得られた結果です。

 被験者6名が、家族から、事前告知なく、愛情の感じられる言葉をかけられ――
 その時の鼻の頭の周囲の表面温度を赤外線センサーの温度計で測定したところ――
 平均で0.8℃の温度上昇が観測されたそうです。

 温度上昇の最大は1.2℃、最小は0.3℃――
 6名の被験者全員で温度上昇が確認されたので――
 統計的に十分に意味のある結果といえますね。

 問題は――
 なぜ鼻の頭の周囲の表面温度が上がったのか、ですが――

 一つは、

 ――家族から思いがけず愛情の感じられる言葉をかけられ、心がリラックスでき、自律神経の一部である副交感神経が活性化したから――

 という理由です。

 一般に、心がリラックスし、副交感神経が活性化すると、鼻の頭の周囲に限らず、体の表面温度は上がることが知られています。

 この見解を採用するならば――
 人は、愛情を伝えられることで、自分の心を十分にリラックスさせることができる――
 ということになります。

 もう一つ考えられる理由があって――
 それは、

 ――家族から普段かけられ慣れていない言葉を突然かけられ、心が動揺し、脳に血液が集まり、血液の熱が脳に溜まりすぎた結果、熱が放散されたから――

 という理由です。

 ここでいう「心の動揺」とは、「嬉しい」とか「恥ずかしい」とか「びっくりした」とか――
 必ずしもネガティブな意味での動揺ではありません。

 パナソニック社は――
 おそらくは自社ブランドのアピールのために、この実験を行っていますから――
 当然、一つめの理由を採用しています。

 つまり、

 ――人は愛情を伝えられてリラックスできる。

 との立場です。

 さて――
 皆さんは、いかがでしょうか。

 パナソニック社の見解に同意されますか。

 ……

 ……

 え?

 僕ですか?

 ……

 ……

 僕は――
 あまのじゃくなので――

 一つめよりは、二つめの理由のほうが――
 より妥当であるように感じられますね~(笑

 普段かけられ慣れていない言葉を突然かけられたら――
 そりゃあ、脳だってオーバーヒートしますよ。