マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

歯切れの良いコメントをする人の見分け方

 世の中の大問題について、歯切れの良いコメントをする人は――
 少なくとも2種類にわけられます。

 その大問題の本質を、十分に知ることなく、常識的な考えを語っているだけの人と――
 その大問題の本質を、十分に知った上で、熟慮を重ね、確たる結論を得ている人と――

 目の前の歯切れの良いコメントをする人が、いったいどちらであるのかを見分ける方法は――
 何でしょうか。

 ただ、その人のコメントをじっと聞いているだけでは――
 見分けることはできません。

 もし、その人が論文やコラムを著している場合は――
 それら著述を精読すれば、あるいは見分けることができるかもしれませんが――
 それには、あなた自身が、その大問題について、十分な見識を備えていることが必要です。

 世の中のあらゆる大問題について、十分な見識を備えることは不可能ですから――
 著述の精読は、現実的な方法ではありません。

 では、どうするか。

 鍵は、

 ――子どもでも思いつきそうな素朴な質問

 です。

 例えば――
 病院で「うつ病」と診断された人は社会復帰に手こずりやすいという大問題を考えましょう。

 この大問題について――
 とても歯切れの良いコメントをしている人がいたとしたら――
 こう訊いてみることです。

 ――そもそも、「うつ病」って、どういう病気なんですか。

 あるいは、

 ――「うつ病」かどうかの判断は、どうやってするんですか。

 病院で「うつ病」と診断された人が社会復帰に手こずりやすい現実をよく知らずに、ただ常識的な推論を重ねているだけの人は――
 回答をはぐらかすでしょう。

 その現実をよく知り、熟慮の上で、抜本的な対策を提案し、実行している人は―― 
 はぐらかすことなく、明確に回答するでしょう。