人が恋愛感情を抱くのは――
その人が、誰かの色気を感じとるからに他なりません。
ひょっとすると、色気を感じとらずに恋愛感情を抱くような人も、なかにはあるのかもしれませんが――
おそらくは、きわめて稀でしょう。
つまり――
恋愛感情の起点は、ほぼ例外なく、
――色気の知覚
といってよいと思います。
この“色気の知覚”を自分で明確に意識できるかどうかが――
その後の帰趨を左右します。
明確に意識できれば――
自分が程なく恋愛感情を抱くかもしれないことを予期できます。
もし――
予期の通りに恋愛感情を抱くことになれば――
そのまま恋愛を楽しめばよいでしょう。
もし――
予期の通りに恋愛感情を抱くことにならなくても――
落胆することはありません。
それは――
その色気が、あなたを本気にさせるのに十分ではなかった――
というだけの話ですから――
……
……
厄介なのは、“色気の知覚”を――
明確には意識できない場合です。
その場合――
自分が程なく恋愛感情を抱くかもしれないことを予期できません。
その結果――
ある日、突然――
恋愛感情に突き動かされて、支離滅裂な発言に耽ったり、猪突猛進の行動に走ったりするかもしれません。
そうなれば――
深刻な対人トラブルを招く可能性は高まります。
つまり、“色気の知覚”を明確に意識できるかどうかは――
深刻な対人トラブルを予防する上で大変に重要である――
といえます。